エンジンチェックランプが点灯、まずは診断機にて原因を調べます。
国産車の場合はO2センサーやほかのセンサーなどの故障で点灯することがありますが、外車の場合センサーはじめ様々な原因があります。
今回はカムポジションセンサーの故障をまず疑いましたが、センサーを外しクランクを回し、覗き込んで刻印がホールに表示されてるかをまずチェックします。
タイミングが進角方向になってずれておりました。
ここで、センサーは正常に作動していると判断し、次へ進みます。
オイルパンを外してみると、タイミングチェーンテンショナーが粉々になって落ちてきておりました。
M273、M272型のエンジンによくある故障としてテンショナーの破損とバランスシャフトの摩耗があります。
今回、一度悪いところを直し、リフレッシュを兼ねてタイミングチェーンテンショナー・バランスシャフト・ミッションのシール類交換を行います。
バランスシャフト交換はエンジンを降ろす必要があるので、エンジンを降ろし、エンジンとミッションも離します。
漏れがあるシール類の交換からシャフトの交換まですべて行い、再度組み上げてテスト走行です。
慣らしを終え、本来の性能を取り戻しました。
通常エンジンを降ろして分解・修理をすることは稀です。
ほとんどのお客様やお店のスタッフは買い替えを検討・お勧めします。
しかしながらメルセデスは特別です。
20年以上、それ以上前の車両でも何度も修理やメンテナンスを行い、乗り続けているお客様もいらっしゃいます。
やはり史上最高のクオリティを持つ自動車として造られたメルセデスには何か人を魅了するものがたくさんあると思っております。
そして部品ごとポンと替えたり車を替えるではなく、エンジンを手作業で修理できる職人がいるからこそできる修理です。
このような大掛かりな修理も行えます。